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THE ICBM WEBLOG

THE ICBMの管理人サワキが気ままにKYに、ヒロインピンチ、悪堕ち、リョナ等の作品レビュー、同人作品の紹介をするブログ

泥に沈んだ恋する乙女


   泥に沈んだ恋する乙女

「ウェディング・チェンジ! お色直し!」
 二人の愛天使――エンジェル・リリィと、エンジェル・デイジーがドレスの裾を手に、宙を舞った瞬間、彼女らの身体の内側からは眩いばかりの光りが広がった。
「エンジェル・プレシアンス・リリィ!」
「エンジェル・クラージュ・デイジー!」
 二人の声とともに、眩いばかりの花嫁衣裳は消散し、戦闘衣装へ姿を変えていく。若さを漲らせた二人の肉体を包むスカートレオタードは、薄く広がり、その優美なラインを少しも崩していない。その上からミニのスカートがさっとまといつき、肩、胸、太ももには金色の防具が彼女らの肉体の美しさを強調するように、装着された。

「きゃああっ!! いやぁっ!!」
 使い魔ブル魔の出現に、騒然となる校庭――蹴散されて、部活中の生徒たちは一目散に逃げていく。
「セント・サムシング・フォーはここにもないでちゅか!!」
「御待ちなさい!」
「なんでちゅかっ!」
「清純と言われしリリィの花言葉、咲かせて愛を授けます!」
「デイジーは無邪気な心の象徴だ。邪悪な風なんて吹き飛ばしてやるぜ!」
 リリィは、デイジーと並んで国旗のポールの上に脚を置きながら、使い魔ブル魔の姿を見ていた。五歳児ほどの背丈に体操着をまとっている。
「現れたでちゅね、愛天使! ここがおまえらの墓場になるでちゅ!」
「ちゅっちゅうるさいんだよ!」
 ブル魔は軽くジャンプをすると、そのまま一直線に二人めがけて飛んできた。
「行きますわよ」
 二人はポールの上から跳躍すると、そのままブル魔を軽々と避けた。
「セントリプライナー・リリィ・レインボー!」
 リリィの手にした口紅から金色の光りが伸びていく。逃げていくブル魔にあっという間に追いつき、その体に巻き付く。
「逃がしませんわ! デイジー!」
「よし!」その向こうで身体を翻したデイジーの姿が見える。「セントパンデュール・デイジーブリザード!」
 彼女の放った花吹雪はブル魔を包み込んでいく。一瞬その姿が見えなくなる。
「甘いでちゅ!」
 デイジーの声をあざ笑うように飛び出してきたブル魔は二人から距離を取ると、その手に光りをまといつかせた。
「ぽぽーん! ブルマー光線を浴びるでちゅ!」
「しまった!」
 光線が向かってくる――
「きゃっ!」
 リリィは光線を浴びて跳ね飛ばされるように地面に落ちた。その直ぐ横にデイジーが同じように落ちてきた。
「なんだこれっ!」
 デイジーの声――
「どうしましたの――えっ!」
 脚の付け根にじっくり感じる重さに、リリィは顔を向けた。落下したときにめくり上がったスカート、その内側に黒々とした盛り上がりが見える。
「なんだよ、これ、ブルマじゃねぇか……」
「ブルマ……」
 愛天使の聖なる装束にはあまりに不釣合いな膨らみ、スカートがめくり上がっていることも忘れて、リリィはそれを見ていた。
「罠にかかったでちゅ、愛天使どもめ。このブル魔のブルマはお前ら愛天使の愛のウェーブを残らず吸いとってしまうでちゅよ!」
「なんだって!」
 身体を起こして、拳を握るデイジーの姿――リリィは後ろ姿を見て、不意に身体の寒気を感じた。悪魔の空間に取り込まれたような寒気に、身体が鳥肌を呼ぶ。その時、ブルマがぼわっとした光りを生んだ。
「えっ! あっー!」
 デイジーの不意に発した声が聞こえる。戸惑って色づいた声――その時、リリィは身体の中をかきむしられるような感覚に顔を歪めた。
「いやっぁぁっ!」
 尻餅をついて倒れるデイジー――リリィは校庭に這いつくばったまま、力が抜けて、うまく脚が動かせなかった。
「……愛のウェーブが……力が抜けてしまいます……」
「リリィ!」
 顔をあげると、頬を真っ赤に染めたデイジーの姿が見える。
「デイジー……なんとかしてこれを脱がないと」
 リリィはスカートの中に手を入れる。ブルマに手をかける――それなのに、ブルマはびくともせず、逆に触れた手が痒みを呼び、力が抜けるのを拒否するようだった。
「ぬ、脱げませんわ」
「どうなってるんだよ!?」
 デイジーも同じようにスカートの中に手を入れてもがいているのに結果を同じようだった。
「にゃははははっ、愛天使め、もっと苦しめっ」
「チクショウ、こうなったら、このままあいつを倒してやる!」
「デイジー、待って……」
 力がうまく入らず、リリィは震えながら立ち上がるデイジーの姿を見て、か細い声をあげることしか出来なかった。
「そんな身体で戦っても……」
「――いいのでちゅか、本当にボクと戦うのでちゅかっ?」
「ちゅっちゅうるさいんだよ!」
 苛立ちを滲ませたデイジーが宙へと飛び出す。スカートから見える黒い塊は緑色の光りを帯びて、その後ろにキラキラとした痕を引いているように見えた。
「そんなことしてると、君のブルマはどんどん小さくなっていくでちゅよ!」
 あざ笑うようなブル魔は、ふらっふらっと右へ左へと逃げ、デイジーの追撃を避けていく。
「なにこのっ! ――あぁっんんっ!」
 素っ頓狂に声をあげるデイジー――空中でバランスを崩して、ブル魔を前に地面に引き寄せられるように落ちていく。
「デイジー!」
 痺れる身体を起こして、リリィはデイジーの元へと駆けた。脚を動かすたびに絞るようにぎちぎちと食い込んでくるブルマにじっとりと汗がわき、それさえもすべて搾り取られていくようだった。
「はぁっん!?」
 リリィのブルマが青色の光りをますます強くする。ばさっと音をたてて、地面に手をついて倒れてしまう彼女――デイジーは直ぐ目の前にいて、同じように手をついて身体を震わせていく。
「どういうことですの、さっきよりなんだか……」
「ボクのブルマは、愛をウェーブを吸い込めば吸い込むほど小さくなって、食い込んでいくんでちゅよ! 愛のウェーブを絞りとるにはそっちのほうが効率的でちゅぴ!」
「はぁっ!」
 小さくなっていく――リリィはスカートの間から伸びる脚を見た。食い込みがまるで脚を絞り上げるみたいだった。
「あぁっ! いやぁっ!!」
 身体を起こして、スカートの上からブルマを抑えつける。脱げない――脱ごうとすればするほど食い込んで、身体の中から力が抜けていく。
「リリィ!? 空が……!」
「デイジー!」
 いつしか空は紫色になっていて、二人のいる空間が悪魔に取り込まれていることを教えた。これでは……その空間では愛のウェーブは普通よりも低下する――その上で、このブルマを履いたままでは……
「このまま食い込んでしまったら、大変なことになってしまいますわ……」
 ブルマの食い込みはますますとどまることを知らない。このまま、愛のウェーブが減った状態で身体に刺激を与えられ続ければ――体中に熱と寒気を一緒くたに感じて、リリィは立ち上がろうとして脚に力を込めるのに――出し抜けに、足元が沈んだ時、それは硬い校庭の地盤からいつしか、ねっとりとした液体へ変わっていることに気付かされた。
「いやっぁぁぁあっ!?」
 栗色の髪を振り乱してリリィは声をあげる。
「さあ、愛天使どもめっ、どうするでちゅかぁっ?」
「な、なんだよ、これ、身体にまとわりつく!!」
「いや、はな、放して!!」
 泥の中から泥の手が伸びてきて、腿の金色の装飾を掴む。
「その泥の海は、愛のウェーブの弱まった愛天使を簡単に虜にすることが出来るはずでちゅ!」
 引きずり込もうとする手の気持ち悪さに顔を歪め、光りを放つブルマの食い込みがいっそう激しくなっていることを思い知らされ、泥が鮮やかで気品に満ちた装束を黒く濡らしていくことを唖然として見ていた。
「このままじゃ、ふたりとも取り込まれてしまいますわ!」
 泥の海化した地面は底なし沼のようにエンジェル・リリィを引きずり込んでいく。彼女は泥の間を掻いて、泥に沈もうとしているデイジーを助けようとした。
 泥はいくらかいても進めなくて、それでもなんとかデイジーの元にたどり着いた時、彼女は頭を泥の海の中に沈めていた――
「デイジー、しっかり…しっかりなさっ…はぁっ!」
 肩を掴んで、泥の海から彼女を引き上げた時、猛烈な泥が彼女の顔にまとわりついていて、その裏側に赤黒いものが見えた時、リリィは身体中の力が抜けるのを感じた。
「デ、デイジー……」
「あ……アアっ……」
 その美貌から顔の皮が剥がされ、血管や肉が露出している。ゾンビのようなその姿に、リリィは顔を染め、それでも、なんとか脚に力を込めようとした。ぐじゅぐじゅっと泥が身体の間を抜けていく。
「デイジー……いやあああああっ!」
 気持ち悪さをこらえ、引きずり込まれそうになるのを振りほどき、全身を真っ黒に汚していた。リリィは仲間の姿に戦意を失うのを感じて――
「リリィ……」
 その、声はデイジーの口から漏れた。その腕が伸びて、リリィが泥の中に沈むのを助けた。
「えっ……」
 その肉と骨ばかりになった顔に泥が次々にまとわりついていく、その顔に、ふっと泥で形作られたエンジェル・デイジーの顔が露わになり、リリィはそっとその腕に抱かれた。
「デイジー……」
 その口が開いた。口はどこまでもおおきくなり、たちまち顎が外れたようになって、そのサイズを大きくした。
「いやっ!」
 ――食べられる。本能的に声をあげても、その声は泥の饗宴の音にかき消されていく。デイジーの歯がリリィの金色に輝く防具を挟み込んだ時、それはウェハースか何かのように食いちぎられ、肩から引き千切られていく。
 愛天使の防具は、愛のウェーブで覆われているだけで、実際に防具としての性能はなきに等しく――リリィは脚の付け根のブルマによって今やウェーブの大半を搾り取られていた。それは泥の海へと流れでて、饗宴に美味を提供し続けていた。
「デイジー、しっかりしてっ!」
 悲痛な叫びも今や泥の塊となってしまった仲間には届かない。そのグロテスクな姿も愛天使の装束がかろうじてそうとみえるだけで、もしかしたら、デイジーではないのかも知れなかった。
 どちらにしても、エンジェル・リリィが逃げられるわけもなく、デイジーがゴミ箱のように大きな口を広げてきて、それが素肌に食い込んだとき、血が溢れでて泥の海の中に浸された。
「いゃあああああああっ! いやあはぁっ!!」
 最早、叫ぶことしか出来ず、がくんと力を失った彼女の身体が光りを放った。激しい音とともに、リリィは一瞬意識を失い――瞼を開けた時、身体に重みを感じ――身体に――淡い色づけがされたウェディング・ドレスをまとっていることに気づいた。
「変身が解けてしまいましたわ……」
 ファイターエンジェルとしての戦闘衣装を失った彼女がまとっているのは、見るも美しい花嫁衣裳だった。彼女は瞼を細めて涙を浮かべた。花嫁衣裳は幾層もの薄い生地を組み合わせて作られている。神聖なその衣装の間に、次々と流れてくるのは黒い汚泥だった。純白は忽ちに拭い去られて――ブルマが身体に更に食い込んできた時、手にした百合の花束を手放してしまい、それが泥の海に飲み込まれていくことに、何も出来なかった。
「こんなことって……」
 泥でまみれた手が、既に黒く汚れた花嫁衣裳に重ねられた。泥に覆われたファイターエンジェルデイジーは、泥の海の中にリリィを押し倒した。幾十もの生地が浮き輪の役目を果たし、彼女が沈むことを止めようとしているみたいだった。
「デイジー、やめてください……」
 沈痛な声も、既に人ではない姿には届かなかった。デイジーの腕は、人間とは思えない力を発し、花嫁衣裳を引き千切った。破られた衣装の間にも泥が殺到していく。リリィの身体の中に流れ込んでいく泥。リリィは顔を向けた。デイジーの顔がそこにある。
 唇が見えて、口づけが為された時、その口が開き、口の中に泥が流れこんできた。唇は更に近づき、顔全体が接するようになった。泥がリリィの顔に降り注ぎ、その顔を覆った時、リリィが感じたのは体中の皮膚が泥によって引き剥がされようとする暖かい感覚で、その間隙を縫ってなだれ込んでいく泥が内蔵に筋肉の間に入り込んで、エンジェル・リリィを覆い尽くそうとする感覚だった……

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